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「宮本式・ワンランク上のサッカー観戦術」「こう観ればサッカーは0-0でも面白い」

ナミビアで迎えた今年のワールドカップ。日本代表の予選はあっという間に終わってしまったが、サッカー観戦のお供に、と思ってこの2冊を読んでみた。 最初「こう観れば」をKindleで読もうかと思ったが、なぜかiPad上のKindleでは読むことができなかったので…

エドノミクス 歴史と時代劇で今を知る

飯田先生の江戸時代の経済談義、春日さんの江戸時代を時代劇から切り取った話が並んでいるけれど、やはり飯田先生の経済の話の方に関心が向かう。「歴史が教えるマネーの理論」など、飯田先生の本を読むと、学校の歴史の授業で習った三大改革とその前の時代…

偉大なるしゅららぼん

ナミビアからの帰り、香港からの便でこれの映画版をやっていた。映像化(テレビ化、映画化)された万城目作品の中では、「鹿男あをによし」が一番、「プリンセストヨトミ」が次点と思うけど、ちょっとそれには達していない感じがして、じゃあ小説はどうなん…

図解 ゼロからわかる経済政策

「ゼロから学ぶ経済政策」をちょっと書き直したものかなと思ったら、かなり手を加えているようだ。より記述を簡単にして、より多くの人に経済政策について知ってほしいという著者の姿勢を感じる。 「成長政策」、「安定化政策」、「再配分政策」という経済政…

つくりごとか?史実か? 歴史ドラマと時代考証

1996年の「秀吉」、2006年の「功名が辻」、2009年の「天地人」の時代考証をした小和田哲男氏*1が時代劇における時代考証の役割とエピソードについて書いている。 ちょっと仕事が忙しいので、気分転換に軽いものをと思って読んだのだが、思いのほか面白かった…

世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法

ヨハネスブルグからザンビアの北部の町ンドラに移動しつつ読了。一気に読み進むことができた。 「正しい発音はネイティブから学べない」とか、「単語には「意味」ではなく、「絵」を結びつけるべき」とか、なるほどと思わせることが多い。簡単に読み切ること…

数学ガール

ザンビアへの乗り換えを待つヨハネスブルグの空港近くのホテルで読了。 この本は、ずいぶん昔に買っていたが「積ん読」状態だった。最近、中学1年の長女が数学ガールシリーズを買ってきて「面白い」と言っている*1のに触発され、Kindle版が出版されたタイミ…

中国台頭の終焉

香港からヨハネスブルグに向かう飛行機で読了。 中国は1990年代後半から2000年代前半を中心に高い経済成長を遂げて来たけれど、短期的、中期的、長期的にそれを妨げる要因があるのではないかというのが筆者の問題意識。短期的にはリーマンショック以降の4兆…

100分de名著 『万葉集』

海外出張から帰国してすぐ、たまたまこの番組の1回目の録画を見たら面白そうだったのでテキストを買ってみた。これまでこのシリーズはスキャンされた状態で、iPad miniの少し小さめの画面ではとても読みにくく、かったのだが、この本では、いわゆるHTMLベー…

いちから聞きたい放射線のほんとう

4月の最初の週末に実家に帰る時の道中の新幹線や実家で読んだ本。 菊池先生を知ったのはシノドスの記事や、「もうダマされないための「科学」講義」を通じてだったろうか。Twitterのアカウントもフォローし、この本のこともたびたび触れられていたので、海外…

辞書を編む

「舟を編む」をビデオで見て、学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方を読んだので、次はこれを読まなければと読んでみた。 筆者の辞書に対する愛情、とりわけ三省堂国語辞典に対する愛情に溢れた本。辞書がどんな過程で作られているか、小型辞典が携帯性…

全面改定 超簡単 お金の運用術

3月に入ってなかなか本を読み進められなかった。週末にちびちび読んでようやく読み終えた一冊。 山崎さんを知ったのはJMMのメールマガジンだったと思う。リフレ派を「声のでるゴキブリ」と命名されたのもその頃だったろうか。 でもその後、リフレの考え方に…

リーダーにカリスマ性はいらない

赤井さんはTwitterでリフレな人たちをフォローしているうちにいつの間にかお知り合いになった。学部は違うけれど出身大学も重なっていてシンパシーを感じるし、個々の企業や組織の比較的マイクロな分野の専門家でありながら、マクロ経済の重要性も認識してい…

この世で一番おもしろい統計学

「この世で一番おもしろいミクロ経済学」、「この世で一番おもしろいマクロ経済学」に引き続く三匹目のどじょうを狙った本。ストーリーを書く部分での著者は代わっているけれども*1、その試みはうまくいっていると思う。 というのも、訳者の山形さんが「訳者…

夜の経済学

1月から2月にかけて、時間をかけて読んだ。 フーゾク、ワリキリ、生活保護、流言・デマなど、著者の二人がこれまでにも取り上げてきたテーマについて数字で語っている本。それぞれの分析の過程も書かれているので、統計分析の勉強にも使えそう。 興味深かっ…

学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方

家族が持っていた紙の本をペラペラとめくる程度に読んでいたけれど、Kindle版が出たので勝手じっくりと読んでみた。ヨハネスブルグに向かう途中で読了。 国語辞典に対する著者の愛が溢れている。それぞれの辞書の特徴付けと、その組み合わせの2冊持ちの提案…

幸せになる力

久しぶりに紙の本を読んだ。健康診断の待ち時間と北京に向かう途中の機内で読了。 小学生6年生から中学生、高校生から大学生、子供をもつ大人の3つの層に向けて、5つの力について説明している。多くは子供たちに語りかけるように優しく、時には子供を持つ親…

NHK 100分de名著 世阿弥『風姿花伝』

番組での土屋先生のお話が面白かったので、手に取ってみた。テキストを読んでみると、テレビ番組の説明とはずいぶん違う感じで2度楽しめた。例えば、「安宅」に出てくる稚児の意味とか、能を年功序列の時代から競争の始まった時代の芸術を捉えてイノベーショ…

フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人

今回のミャンマー出張に向かう機内と首都ネピドーでの週末で読んだ。どんな食事をとるか選択することは一種の政治であること、日本人にとっては食が一つの大きなアイデンティティーであったけれど、それが二極分化しつつあることを説明し、現在の日本人の食…

戦国大名の城を読む

読み始める前は、以前に聞いたSession 22の印象もあって、お城好きの女性の軽い本かなと思ったが、なかなかしっかりした本だった。 公園として整備されている城郭や、天守が現存している12の城だけじゃなくて戦国時代の山城なんかも扱い、かつその作りを事細…

若者を見殺しにする日本経済

いつもながらの切れ味のよさ(別の言い方をすれば、身も蓋もない書き方)で若者のために取るべき経済政策について論じている。でもこれは、若者のためだけじゃなく、既得権益と闘う経済政策でもある。まず重要なのは持続的な経済成長を続けること。その下で…

古地図でめぐる 今昔 東京さんぽガイド

昨年11月から読みかけだった本、最初から読み直して2014年最初に読了。 荻窪圭さんといえば、確か工学社の「I/O(アイ・オー)」の記事を書いていたような気がする。それがデジカメの記事をよく見るようになり、古道の本もいくつか出されている。タモリクラ…

1995年

前回の読書以来出張先での仕事が忙しく、本を読む時間がなかった。12月初めに帰国した後も仕事が忙しく、年末の休みになってようやく手に取った2013年最後に読んだ本。 この本自体は1995年に起こった出来事を政治・経済・国際情勢・テクノロジー...と並べて…

龍馬史

磯田先生の本は「武士の家計簿」以来ハズレがない。この本もNHKの大河ドラマが放映されていた2010年に単行本が出版されたもので、大河ドラマ需要を狙ったのかと思ったけれど、やっぱり面白いものだった。 自分も大学生の頃の「龍馬がゆく」を読んだ口だが、…

スティ−ブ・ジョブズ 1995 ロスト・インタビュー

スティーブ・ジョブズがAppleに復帰する前年の1995年にTVの取材に答えたものを文字に起こしたもの。映画化もされ、その映像の一部もこちらで見ることができる*1。 ここでインタビューに答えるJobsは落ち着いた感じがして、冷静にこれまでのことを振り返って…

「量子論」を楽しむ本

「相対性理論を楽しむ本」を楽しく読んだので、こちらの本も手に取ってみた。「分かる本」ではなくて「楽しむ本」というのがミソ。この本にも書かれているけれど、理屈を分かろうとするのではなくて、先人の思考の過程を楽しむという感じ。 相対性理論で取り…

100分de名著 古事記

けっこうお気に入りの「100分de名著」の2013年9月が古事記を取り上げている。解説者の三浦佑之氏は以前読んだ「古事記を読み直す」の著者の方だった。 Kindleでテキストが手に入るので買ってみた。 でも、紙の本をスキャンしたような感じで、フォントや文字…

インクジェット時代が来た

クリス・アンダーソンの「Makers」で取り上げられたように、ここ数年3Dプリンタがキーテクノロジーとして取り上げられる機会が増えているけれど、この本はもう少し幅広く、インクジェット印刷技術の広がりについて書いている。 紙への印刷しか意識していない…

さんてつ―日本鉄道旅行地図帳 三陸鉄道 大震災の記録―

NHKの朝ドラ「あまちゃん」のことを取り上げるTwitterのツイートの中でこの本に触れているものがあって購入した。ちょうど、東日本大震災のときのことを取り上げた頃だったろうか。 東日本震災のときのエピソード(南リアス線の列車がトンネル内で停車して、…

リフレが正しい。FRB議長ベン・バーナンキの言葉

FRB現議長ベン・バーナンキの2002年*1以降の講演、議会証言、FRBのプレスリリース7本をまとめたもの。最初から6つ目まではまさに米国におけるインフレ目標の導入の道筋をたどるものになっている。最後の1章は2003年時点での日本の金融政策に対する提言。 第1…