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科学の発見

8月初めにジンバブエで読み始め、ナミビアに移ってきて読了。この本は科学的な研究方法の発見に関する本。著者は1979年にノーベル物理学賞を受賞した、素粒子物理学の第一人者で「標準モデル」の名付け親。そのような研究者としても著名な筆者が、現代の科学…

日本人の叡智

以前に自炊したまま、ずっと放ったままにしていた本を出張先で読んだ。夜寝る前などの時間にちびちび読んで、一週間ほどで読了。江戸時代初期から平成の時代までの98人の一言から、その言葉の意味すること、その人となりを2ページごとにまとめている。もとも…

中国GDPの大嘘

昨日読み終えたコーヒーの科学と同じく、この本もジンバブエに出張に向かう移動の途中で読み始め、二週間ほどで読み終えた。高橋先生は本当に多作で出版スピードに読書が追いついていかない感じだが、時々暗黒面が強く出てしまっているという感じの本がある…

コーヒーの科学

ジンバブエに出張に向かう移動の途中で読み始め、10日ほどで読み終えた。4年前にラオスの南部のコーヒーの生産に関わる機会があった。ラオス南部では標高1,000メートルくらいのところでアラビカ種の豆を作っていて、隣のベトナムのコーヒーと比べても数段美…

ピラミッド・タウンを発掘する

3ヶ月半の南部アフリカへの出張の岐路に読み始め、次の出張に向かうというタイミングで読み終えた。ピラミッドには1996年、1999年の2回行ったことがある。1996年の時はクフ王の船を博物館で見た記憶があるし、1999年は半年ほどエジプトにいたので、ギザだけ…

東京どこに住む? 住所格差と人生格差

この本も東京βとともに発売当初から電子書籍が出るのを待っていたけれど、出る気配がないので新宿南口の紀伊国屋書店で購入。東京β以上に関心を持って読んだ。 東京中心部(中心の5、6の区)への一極集中、食と住の近接という現在起こっていることを確認し、…

東京β 更新され続ける都市の物語

速水氏の本はどれも読んで面白いので、この本も海外出張時からSession 22のインタビューをPodcastで聞いたりしてKindle版が出るのを待っていた。しかし、なかなか電子書籍が出る気配がないので、南部アフリカからの出張からの帰国後、もう直ぐ売り場が小さく…

魔法の世紀

3月末からの長い出張の最終段階で読み始め、帰国を挟んで一週間ほどで読み終えた。この先の世界のことをワクワクさせてくれるような、コンピューティングと文化、世界がどんな風になっていくか、筆者のビジョンを感じることができた。 「あとがき」で筆者は…

数学ガールの秘密ノート 微分を追いかけて

「数学ガールの秘密ノート」シリーズ、「式とグラフ」、「整数であそぼう」をサクッと2度読みしたので、勢いで「微分を追いかけて」を読んだ。微分の概念を説明する初歩的なところから、パスカルの三角形、三角関数の微分、指数関数の微分とぐっとレベルが上…

戦後経済史は嘘ばかり

経済学を勉強していれば戦後の経済の流れを一通り知っている気になっている。しかし、以前に学んだこと、本で読んだことは間違っていることも多く、それが現在の経済の見方や対策の仕方を誤ったものにしてしまっていないか、というのがこの本の書かれた理由…

総理

面白くて一気に読んでしまった。現役首相の政策形成に関する話をこんなふうに読むことができることがすごい。今年春のクルーグマンの国際金融経済分析会合のメモでも安倍内閣の政策決定過程を垣間見ることができたが、この本は経済(2014年秋の消費税増税の…

最速の仕事術はプログラマーが知っている

この人の本は、実践としてのプログラミング講座を手に取ったことがあったけれど、最後まで読むことができなかった。だからどうしようかなと思ったが、いく村先生のこのツイートを見て読んでみる気になった。 「最速の仕事術はプログラマーが知っている、とい…

重版出来

普段、ほとんどTVドラマは見る機会もないし見られないけれど、4月から火曜10時にTBS系列でやっていた『重版出来』は、わざわざジンバブエやナミビアなど日本から離れたところからインターネットで追っかけで見る価値のあったドラマだったと思う。 今週の火曜…

数字・データ・統計的に正しい日本の針路

毎週月曜日に更新される高橋洋一「ニュースの深層」の2014年10月から2016年1月までの期間から24編の記事を抜き出した本。経済に関する論説は見覚えがあるなと思うものが多い。2014年春の消費税増税の実体経済への影響と同年秋の消費税増税の延期、それ以降の…

殿様の通信簿

2日間ほどでサクサクと読み終えた。戦国から江戸時代の7名の「殿様」のことが書かれている。「殿様」と言っても最後の二人、内藤家長と本多作左衛門は徳川家康の家臣で、あまり「殿様」という感じではないけれど。ほほう、と思って印をつけていたところをメ…

100分de名著 司馬遼太郎スペシャル

このシリーズ、前々から好きでこれまでに「般若心経」、「ハムレット」、「万葉集」、「風姿花伝」、「古事記」と読んできたけれど、久しぶりにチェックしたら「司馬遼太郎スペシャル」というのがあったので買って読んでみた。ここやここで書いているけれど…

21世紀の不平等

2月の初めから読み出した本。約4ヶ月かかってようやく読み終えた。これもピケティの「21世紀の資本」と同様に様々な分析がされている本だが、全体のメッセージを示そうとすると難しい。だから訳者の山形さんは「訳者はしがき」で全体の見取り図を示そうとし…

ふだん使いのマインドマップ

5月下旬にジンバブエ出張中に読み始め、南ア経由で移動したナミビアで読み終えた。アウトラインプロセッサ的なフォーマットで思考する道具のWorkflowyの本を読んだので、今度はマインドマップ的なアプローチでの思考法について考えてみようと思ってこの本を…

戦国の群像

「戦国の合戦」を読み終わってすぐに読んだ。3月に読んだ「戦国の城」と合わせて、この3冊で三部作ということらしい。さすがに3分作の3作目ともなると、以前他の本で出てきた話題がまた出てくるというようなことがままあった。もしかしたら、もともと戦国時…

戦国の合戦

3月に読んだ「戦国の城」の続編。出張先のジンバブエでサクッと読んだ。「なるほど」と思うところが2つあった。一つは、著者による戦国時代の区分法。戦国時代を1493年の北条早雲(伊勢新九郎)の伊豆討ち入り(堀越御所の誅滅)から1590年の豊臣秀吉の小田…

龍馬史

この本、以前紙の本を買っていたよなあ、でも積読状態で読んでいなかったっけ?と思いつつKindle版を買って読み終え、読書メモを整理していたら、紙の本の自炊して読んでいたことに気づいた。 龍馬史 前回の読書と同じ部分(勝者が歴史を作るのではなく、敗…

クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門

ジンバブエの首都ハラレの日曜日に読了。 今年の初めからWorkFlowyを使ってみている。これまで、情報をインプット(蓄積)することはいろいろ試してきてある程度の仕組みはできているけれど、情報をアウトプットすることにはあまり留意してこなかった。10年…

平城京 全史解読

ナミビアで読み始め、ジンバブエの休日に読了。「平城京...」というタイトルだけど、「続日本記」に書かれていることを解説する本で、「続日本記 全史解読」でもよかったんじゃないかと思う*1。文武天皇の即位直前から桓武天皇の長岡京遷都までの95年間。日…

6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録

この本は東日本震災の起こった2011年の7月に発行され、翌年の12月にKindle版が出ていたけれど、今頃になってようやく手に取った。社長の近江氏(現在も社長を務めていらっしゃるようだ)の震災時の記録と3月12日から3月17日までの6枚の壁新聞の発行の経緯、…

ご当地アイドルの経済学

この本は「AKB48の経済学」の続編でもあり、「「30万都市」が日本を救う!」の続編でもある。文化の経済学的分析と地方経済の分析が結びついたような本。冒頭は田中先生と1章NGT48のリーダー北原里英との対談で第1章ではNGT48、第2章ではAKB48グループの地方…

戦国の城

息抜きの読書。歴史の本、特に戦国時代や幕末の本はさくっと読めて気分転換になる。都道府県レベルの調査でも各県で中世の城郭遺構が数百から千以上見つかっているとのこと。全国で言えば5万件以上で、しかもその多くは戦国時代のもの。著者は、戦国時代に城…

宇宙は何でできているのか、重力とは何か、強い力と弱い力

実際には、「強い力と弱い力」(昨年11月)⇒「重力とは何か」(昨年12月)⇒「宇宙は何でできているのか」という順番で読んだけれども、私のように高校から文系で、素粒子論とか宇宙論のことをあまり知らない人は、この反対に「宇宙は何でできているのか」⇒「…

経済政策で人は死ぬか? 公衆衛生学から見た不況対策

「経済政策で人は死ぬか?」の答えはイエスだということを、この本では1930年代の大恐慌期、ソ連崩壊後の旧ソ連、東欧諸国の経済混乱、アジア通貨危機、リーマンショック以降の金融恐慌(アイスランドとギリシャ)の歴史的経験と、医療制度の改変、失業対策…

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

ジンバブエでの出張中に読んだ。 最近、AIに関するニュースをよく見るようになった。将棋の電王戦、IBMのワトソン、GoogleのDeepMind、身近なものでいえば写真アプリの顔認識など。著者によると、今は3回目のAIのブームとのこと。第1次は1956年から1960年代…

僕が伝えたかったこと、古川亨のパソコン秘史

ジンバブエで地方回りをしている合間に読み始め、数日で読了。自分が記憶に残っている古川亨氏は、1990年代初めの時期で、マイクロソフト日本法人の社長で坂本龍一の活動で盛んに友人として出てきていた記憶がある*1。以前どこかで聞いたことがあったが、実…